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排出量取引「濡れ手に粟」の高笑い


ここから引用:
排出量取引「濡れ手に粟」の高笑い 2008年10月04日
■「宝の山」CDMとはどんなものなのか
http://blog.livedoor.jp/softac/archives/964169.html
排出権特有の問題としては、CDMプロジェクトは国連のCDM理事会の承認を得なくてはならないが、近年、案件が多くなって承認手続きが遅れたり、自国びいきの理事が、他国の案件に反対しているケースがあるといわれる。
 また、中国においては、排出権は原則として中国側に帰属し、たとえ日本企業が金を出してプロジェクトを実施しても、いったんすべて中国側に帰属した排出権を、あらためて中国側から売ってもらわなくてはならない。これは中国政府が排出権を国家財産として扱っているためで、HFCやPFC系プロジェクトであれば、プロジェクトから発生する排出権のうち65パーセントが、N2O系プロジェクトであれば30パーセントが、風力発電やメタンガス回収であれば二パーセントが、それぞれ中国政府のものになると法律で規定されている。残りはプロジェクトを実施した中国企業のものである。日本側パートナーは、中国企業が得た分の排出権を市場価格よりは幾分安く買い取らせてもらうことになるが、どれくらいの量をいくらの価格で買わせてもらえるかは交渉次第だ。


ここから引用:
排出量取引「濡れ手に粟」の高笑い
■「宝の山」CDMとはどんなものなのか

新疆ウイグル自治区は、中央アジアに隣接する中国の西のはずれである。人口は約2千万人で、うち45パーセントが、中国からの分離独立を志向しているイスラム教徒のウイグル族だ。
 今年3月には、区都であるウルムチを離陸して北京に向っていた航空機のトイレの中で、ウイグル人女性2人がガソリンに引火させようとして拘束される事件が起きた。また、独立を目指す過激グループ「トルキスタン・イスラム党」が、7月に中国南部の昆明で起きた通勤バス連続爆破事件の犯行声明を出し、8月4 日には、カシュガルで武装警察部隊が独立派と見られるグループに襲撃されて警官16人が死亡、同10日には、クチャでも公安(警察)局が襲撃された。

中国国内ではチベットと並ぶ政情不安地域であるこの地で、今、二酸化炭素排出権ビジネスが盛んに行われている。
 区都のウルムチは北京から飛行機で3時間20分。30~40階建ての高層ビルが林立し、ウイグル族、漢族、カザフ族、回族など様々な民族が暮らす人口約 270万人の都市である。
 市内中心部を車で出発し、南東の方角に高速道路を十分ほど走ると、茶色い土漠が広がり、左手の彼方に万年雪を頂いたボゴダ峰(標高5445メートル)が見えてくる。さらに15分ほど進むと、道の左右に無数のプロペラ型風力発電機が林立し、三枚羽根を一斉に回転させている。その数は、ざっと見て 500~600基。白い風車の広大な森のようである。

設置されているエリアは、東西50キロ、南北20キロほど。遠くに青く霞んでいる山影の麓まで風車の森が続いている。車を降りると、風速20メートルほどの風が吹いており、メモをとろうとノートを取り出すと、強い風でページがばらばらと音を立ててめくれる。砂漠地帯であるジュンガル盆地とタリム盆地を擁する新疆ウイグル自治区は、内蒙古自治区と並んで風が強く、風力発電が盛んな地域だ。日本企業では、東京電力がここで風力発電事業を行っている。
 また、同自治区では、豊富な水力を利用した水力発電も盛んで、東京電力や三菱商事が水力発電事業を手がけている。

こうした事業は、京都議定書によって規定されたCDM(クリーン・デベロップメント・メカニズム)と呼ばれるものである。発展途上国において温暖化ガスを削減する事業を行えば、その分の温暖化ガスの排出量を、京都議定書によって定められた削減量に加算できるという仕組みだ。京都議定書は、締約国である先進各国に対して、排出量削減という厳しい法的義務を課しているが、自国内の削減努力だけでは限界がある場合に備えて、CDMという柔軟措置を設けている。

CDMプロジェクトには、風力発電や水力発電以外に様々なものがある。例を挙げると、(1)養豚場、養鶏場、炭鉱、ゴミ処分場、パーム油工場の廃液などからメタンガスを回収して発電、(2)代替フロンの一種であるHFC(ハイドロフルオロカーボン)22を製造する際に発生する副産物である温室効果ガス HFC23の破壊事業、(3)温室効果ガスであるN2O(亜酸化窒素)分解事業、(4)太陽光発電、(5)油田からの随伴ガス回収・有効利用プロジェクト、(6)コークス炉やセメント工場などの廃熱を利用した発電、といったものである。

各プロジェクトによってどれくらいの温室効果ガスが削減されたかは、「CDMプロジェクトがなかった場合に排出されていたであろう温室効果ガスの排出量」(これを「ベースライン」と呼ぶ)と、当該CDMプロジェクトで排出される温室効果ガスの量の差によって測定する。「ベースライン」の算出方法については、国連が定めた詳細な規定があり、それにしたがって国連あての申請書(PDD=プロジェクト・デザイン・ドキュメント)を作成し、承認の申請をする。

プロジェクトは、ホスト国などの承認手続きを経て最終的に国連(ドイツのボンにあるCDM理事会)によって承認されなくてはならない。プロジェクトが実施されて排出権が発生すると、国連によってCER(サーティファイド・エミッション・リダクション=認証排出削減量)が発行され、これが排出権(排出量)として取引される。

■「空気がお金になる」

CDMプロジェクトは、アジア、アフリカ、中近東、中南米など世界中の中進国、発展途上国で行われているが、数が多いのは、中国、インド、ブラジルである。国連に登録されたCDMプロジェクトから生じる排出権量におけるシェアは中国が51.6パーセントと圧倒的に多く、2位がインド(14.1パーセント)、3位がブラジル(8.8パーセント)である。CDMが行われる国の特徴としては、経済規模があり、二酸化炭素排出権の削減余地が大きいことが必要なので、これら3ヶ国に案件が多いのは当然といえる。


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山西省の炭鉱で働く労働者(上)と炭鉱(下)。個々のCDMプロジェクトから産み出される排出権(すなわちCER)はプロジェクトの規模や、対象となる温室効果ガスの種類によって異なる。CDMの対象となる温室効果ガスは6種類あり、それぞれの温室効果の強さは「地球温暖化係数」によって表される。すなわち二酸化炭素(CO2)は1倍、メタン(CH4)は21倍、N2O(亜酸化窒素)は310倍、フロン類のうちPFC(パーフルオロカーボン)14は 6500倍、HFC23は1万1700倍、SF6(6フッ化硫黄)は2万3900倍となっている。したがって、HFC23の排出量を1トン削減すれば、二酸化炭素1万1700トンを削減したのと同じ排出権を獲得することができる。

これまで行われてきたCDMプロジェクトは、産み出される排出権の量が年間1万トンから30万トンくらいの規模のものが多い。排出権価格の動向に関する日本の代表的な気配値としては、国際協力銀行(JBIC)と(株)日本経済新聞デジタルメディアが毎週月曜日に発表している「日経・JBIC排出量取引参考気配」がある。それによると最近の価格は、二酸化炭素1トンあたり3500円程度である。したがって、排出権の量が1万トンから30万トンくらいのプロジェクトでは、年間に3500万円から10億5千万円の「余剰収入」が発生する。

プロジェクトによっては、日揮、大旺建設、丸紅が共同で行っている中国浙江省のフロン破壊プロジェクトのように、年間580万トン、金額にして203億円という大量の排出権が得られるプロジェクトもある。これは代替フロン工場で排出されるHFC23を回収・破壊するプロジェクトだが、HFC23の回収・破壊のための設備自体は大がかりなものではなく、プロジェクト実施に必要な資金は数億円程度といわれる。したがって、毎年のリターンは数千パーセントという「化け物」のように儲かるプロジェクトだ。これまで存在しなかった排出権によって突然巨額の金が儲かるようになり、中国人たちは「空から月餅が降ってくる」とか「空気がお金になる」と言っているという。

■山西省で見た現代のゴールドラッシュ

中国は世界最大の石炭産出国で、エネルギー不足を解消するため、急ピッチで石炭を増産している。同国の石炭生産の約4割を担うのが、北京から数百キロメートルの山西省だ。かつて冬場は、空から降りそそぐ煤煙で数メートルしか視界がきかなくなるといわれた土地だ。

省都の太原からは、主要な産炭地である大同や柳林などへ高速道路が延びており、石炭を満載したトラックが往きかっている。片側2~3車線のハイウェーはトラックからこぼれた石炭の粉で黒ずんでいる。道の左右には、黄土高原特有の丘陵地帯やトウモロコシ畑が広がり、広大な風景の中に、石炭を利用する発電所、製鉄所、コークス工場などが建っている。五輪を開催する北京に石炭を早く輸送するため、トラックは休憩時間も削って走り続け、助手席の人間はドアを開けて、走っている車の上から高速道路の上に立小便をしている。

今回、同省南西部、陝西省との境に近い柳林という産炭地を見てきた。ここではオランダ企業が炭鉱で発生するメタンガスを回収し、発電を行うCDMプロジェクトを実施している。産み出される排出権(CO2換算)は年間約32万トンというかなりの量である。山西省の金持ちの多くは、炭鉱経営者であると言われるほど、石炭価格の上昇の恩恵を受けている。その一方で中国の炭鉱の安全管理は不十分で、メタンガスの爆発や地下水の流入で、年間数千人が命を落としている。それでも食い詰めた人々は、都市部の大卒ホワイトカラーの数倍の給料を求めて炭鉱にやって来る。

柳林の街は、一種整然とした北京やウルムチの街とは様相を異にする。建物はバラック小屋から四角いビルまで形も高さも様々である。でこぼこの道路のあちらこちらに泥水が溜り、土煙を巻き上げながら、石炭を満載したトラックが数珠繋ぎになって走っていく。窰洞と呼ばれる、建物前部にアーチ型の造りを持った廃墟のようなレンガの平屋に人々が住み、家の前で洗濯をしたり、スイカを商ったり、カラオケ屋の女が客引きをしたりしている。コークス工場はフレアガスを燃やす真っ赤な炎を噴き上げ、パイプが複雑に絡み合った製鉄所は高い煙突から白煙を噴き上げている。混沌とした辺境の風景は、かつての筑豊を彷彿とさせる。

中国のCDMプロジェクトは、かつては北京、山東省、上海付近といった沿海地域が比較的多かった。しかし今では、そうしたアクセスの容易な場所での案件はあらかた取りつくされ、内蒙古、雲南省、甘粛省、新疆ウイグル自治区といった辺境に分け入らなくては獲得できない。

ある商社マンは、そうした地方で何時間も山道を車に揺られていくと、天山山脈の雪融け水が滔々と流れる谷あいの川があり、車も通れない山道ではロバを使って資材を運び、水力発電所を建設していると話してくれた。
 また、N2OやHFC23のプロジェクトは、現在ではほとんどなくなり、二酸化炭素を発生させないクリーンエネルギー(水力、風力、太陽光発電等)や、メタンガス回収案件が中心になりつつある。




中国における「排出権ビジネス」の利回りは年数1000%といわれ、「空から月餅が降ってくる」と狂喜乱舞しているという。
イスラム過激派によるテロ頻出の新疆ウイグル自治区と山西省を気鋭の経済小説家が徹底取材し、この商売の最前線をレポートする──。(全3回)

■排出権ビジネス成功のカギは……

日本においてCDMプロジェクトを活発に手がけているのは三菱商事や丸紅などの総合商社である。三菱商事がネットワークを生かして、世界中で次々とN2O プロジェクトを手がけた話は有名だ。金融機関では、三菱UFJ証券が比較的小規模のプロジェクトをこまめに拾い上げ、ノウハウを蓄積している。また大和証券SMBCや三井住友銀行、日本スマートエナジーなども積極的だ。

排出権の買い手としては、電力会社や製鉄会社、航空会社のほか、電力会社・商社・メーカー・政府系金融機関等が出資する日本カーボンファイナンスなどがあり、仲介業者としてはナットソース・ジャパンがよく知られている。また、国際協力銀行やジェトロ(日本貿易振興機構)は、制度作りや民間企業へのアドバイスを積極的に行っている。

CDMプロジェクトは、普通のプロジェクトに排出権という要素が付け加えられたものであるため、実施にあたっては、(1)プロジェクト一般に共通する問題と、(2)排出権特有の問題がある。
 プロジェクト一般に共通する問題としては、たとえば中国では、契約の交渉でいったん合意しても、あとで蒸し返されるとか、相手側が契約内容が気にくわなくなって裁判を起こし、中国側に有利な判決を下されるとか、政府の各種許可を取るのに時間がかかる、あるいはプロジェクト実施に必要な地元のインフラストラクチャー(社会資本)が整っていない、プロジェクトを立ち上げるための資金の調達に苦労する、といったことである。

先の3つの点については、地元の情勢を熟知した現地スタッフを抱えているかどうかで、結果が大きく変わってくるだろう。この点で非常に上手くやっている会社として、内蒙古で風力発電事業を行っている英国系のホニトン・エナジー(Honiton Energy Holdings plc)が挙げられる。同社は英国人のポール・エヴァレイ氏と中国の深●(しんせん)で政府の役人をやっていた中国人のジンファン・リー氏が手を組んで興した会社で、エヴァレイ氏が海外での資金調達、リー氏が中国政府との交渉を受け持ち、プロジェクトを推進している。同社は今年内蒙古で49.5メガワットの風力発電所を立ち上げ、7月には、株式の一部をバーレーンのアルキャピタ銀行とインドのタンティ・グループに譲渡した。創業して3年での株式譲渡は、顕著な成功と言えるだろう。一方で同社は、内蒙古でさらなる発電事業を行う許可を取得しているにもかかわらず、中国の送電網が不十分なため、送電網の構築を待たなくてはならないというジレンマも抱えている。

排出権特有の問題としては、CDMプロジェクトは国連のCDM理事会の承認を得なくてはならないが、近年、案件が多くなって承認手続きが遅れたり、自国びいきの理事が、他国の案件に反対しているケースがあるといわれる。
 また、中国においては、排出権は原則として中国側に帰属し、たとえ日本企業が金を出してプロジェクトを実施しても、いったんすべて中国側に帰属した排出権を、あらためて中国側から売ってもらわなくてはならない。これは中国政府が排出権を国家財産として扱っているためで、HFCやPFC系プロジェクトであれば、プロジェクトから発生する排出権のうち65パーセントが、N2O系プロジェクトであれば30パーセントが、風力発電やメタンガス回収であれば二パーセントが、それぞれ中国政府のものになると法律で規定されている。残りはプロジェクトを実施した中国企業のものである。日本側パートナーは、中国企業が得た分の排出権を市場価格よりは幾分安く買い取らせてもらうことになるが、どれくらいの量をいくらの価格で買わせてもらえるかは交渉次第だ。
■環境先進国日本のこの体たらく

 日本は京都議定書にもとづいて、2008~2012年(第1約束期間)に、1990年比6パーセントの温室効果ガス削減を義務づけられている。しかし、 2006年の時点で逆に6パーセント増加しており、足りない分は海外から排出権を購入して穴埋めしなくてはならない。第1約束期間の5年間分で、日本は2 億1千万~2億8千万トンの排出権購入が必要になると言われ、昨年10月には財務省が、財政制度等審議会の配布資料の中で、排出権購入のための財政負担が最大で1兆2千億円になるという試算を示している。しかし、将来、排出権価格が上昇すれば、1兆2千億円ではすまなくなる可能性もある。

一方、国連に登録ずみの中国のCDMプロジェクトから生じる排出権の量は、年間1億1347万トンである。1トン3500円で計算すると、年間3971億円の「月餅」が空から降ってくることになる。京都議定書では、中国やインドといった中進国・途上国には温室効果ガス削減義務が課されていないので、二酸化炭素などを垂れ流しながら、CDMをどんどんやることができる。

日本の製鉄メーカーなどがこれまで血の滲むような努力でリストラを行ったおかげで、日本は世界最高のエネルギー効率を持ち、その分、温室効果ガスの排出も抑えられている。しかるに、莫大な財政負担を強いられ、中国に月餅を差し上げる格好になっているのは、何かおかしくはないだろうか? 調印してしまった第 1約束期間についてはどうしようもないが、2013年以降の「ポスト京都議定書」については、これ以上日本にとって不利な取り決めをしないでもらいたいという声は圧倒的に多い。

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