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バイオ燃料の虚と実: カーボンニュートラルはまやかしか


ここから引用:
松田智・静岡大学准教授インタビューバイオ燃料の虚と実:
カーボンニュートラルはまやかしか?2010/09/26
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/special/20100926_01.html
トウモロコシなどの農作物や廃木材などから作られるバイオ燃料(バイオエタノール、バイオディーゼル油)。燃やせばもちろんCO2(二酸化炭素)が発生するが、原料の植物が生長する際にCO2を吸収しているので、トータルで見ればCO2は増加しない--すなわち“カーボンニュートラル”であるといわれる。地球温暖化対策の一つとして導入拡大が進められているが、それに真っ向から異議を唱えるのが静岡大学の松田智准教授。カーボンニュートラルは「幻想」と言い切る氏に、その真意を尋ねた。 (聞き手=佐藤 輝)


ここから引用:
--先月、『幻想のバイオマスエネルギー』(久保田宏・東京工業大学名誉教授と共著、日刊工業新聞社)と題した著書を刊行されました。バイオ燃料のどのへんが「幻想」なのでしょうか。

「バイオエタノールの原料となる農作物を生産したり、農作物からバイオエタノールを製造したりするにもエネルギーが必要です。これらの投入エネルギーを考慮に入れると、カーボンニュートラルは成り立たないということです」

「農水省は、1リットルのバイオエタノールをガソリンの代わりに使えば、1.54キログラムのCO2が排出されずに済む--と試算していますが、これはバイオエタノールが作られるまでに必要なエネルギーを無視して計算したものです。比較対象にされたガソリンについては、原油の精製や輸送などに必要なエネルギーまで含めていますから、これではまったくの詐欺です」

--実際のところ、ガソリンと比較して、バイオエタノールのCO2削減効果はどの程度なのでしょう。

「ブラジル産のサトウキビや米国産のトウモロコシについて、バイオエタノールに加工するまでに発生するCO2を考慮に入れ、“正味のCO2削減量”を計算しました。これらを考慮に入れていないCO2削減量を“見かけのCO2削減量”とすると、以下の式でCO2削減率が求められます。

CO2削減率=(正味のCO2削減量)÷(見かけのCO2削減量)

カーボンニュートラルが成立するのは、CO2削減率が1の場合です。もちろん、完全なカーボンニュートラルを実現するのは無理でしょうが、この数値が1に近ければ近いほど、地球温暖化防止の観点からは効果が高いことになります」

「計算の結果、ブラジル産のサトウキビはCO2削減率が0.87で比較的高かったのですが、米国産のトウモロコシはマイナスの値になってしまいました。生産・製造時に排出されるCO2が多すぎるため、そもそも“正味のCO2削減量”がマイナスだったのです。トウモロコシはサトウキビに比べ、栽培段階で窒素肥料を多く必要とし、加工段階でもデンプンを糖化する工程が必要な分、余計にCO2を排出してしまうのです。これでは、使えば使うほどCO2排出量が増加することになります」

--ブラジル産のバイオエタノールをたくさん使うようにすればいいのではないですか?

「そこにも誤解があります。ガソリンの代わりとして広く利用するには、バイオエタノールの生産量がまるっきり足りません。増産しようとすると、ブラジルの熱帯雨林を農耕地として開発しなくてはなりませんが、失われた森林が吸収・蓄積するはずだったCO2をバイオエタノールの利用によって取り戻すには数十年から100年の年月がかかってしまいます」

「研究すればするほど、どうしてこんなことを“バイオマス・ニッポン”などと持ち上げて日本の国策に据えたのか、信じられない思いがしてきます」
>>Vol.2につづく



ここから引用:
松田智・静岡大学准教授インタビューバイオ燃料の虚と実: 「国益重視の取り組みを」2010/10/04

「バイオ燃料はCO2排出削減にはつながらない」と主張する静岡大学の松田智准教授。Vol.1に引き続き、氏の主張に迫った。 (聞き手=佐藤 輝)

--農作物を原料にしたバイオエタノールについては分かりました。それでは、木材や稲わらをエタノール化して使う場合はどうでしょう。

「量がまったく足りません。木材や稲わらなど木質系原料に含まれるセルロースを全量エタノール化できれば、原料1トンから約200リットルのバイオエタノールが生産できると言われていますが、これはあくまで理論上の数値です。実際は1トンから30数リットルの生産がせいぜいです。もし仮に、200リットルの生産が可能になったとしても、それをE10(ガソリンにバイオエタノールを10%混ぜた燃料)として利用した場合、現在消費しているガソリンに比べて約3%のCO2しか削減できません。これでは、地球温暖化対策として有効とはとても言えません」

--そうした研究結果があるにもかかわらず、日本でバイオ燃料の利用が推進されているのはなぜでしょうか?

「バイオ燃料の導入を進めるブラジルや米国、EUに遅れをとってはいけない、という意識が背景にあったのではないでしょうか。しかし、忘れてはいけないのは、これらの国々の狙いは地球温暖化防止にはない、ということです」


--と言いますと?

「ブラジルの場合は、サトウキビが生産過剰になった際の値崩れを防止することがそもそもの目的でした。米国やEUの場合も、余剰農作物の有効利用が主目的です。いずれも農業政策の一環という側面が強く、必ずしも地球温暖化対策のためだけにやっているわけではありません。日本がその必要もないのに、『CO2を削減できそうだ』というイメージだけでバイオ燃料に傾斜していくのは、ばかげていると思います」


--それでは、バイオマス利用にはまったく意味がないのでしょうか?

「我々はバイオマス利用そのものを否定しているのではありません。液体のバイオ燃料はCO2削減・地球温暖化防止という観点からは意味がないと思いますが、バイオマス利用自体は森林資源の有効活用という面で意義があります」

「日本の場合、バイオ燃料の原料として唯一現実性があるのが、森林の間伐材や廃木材などの木質バイオマスです。これらをより有効に活用するためには、液体のバイオ燃料に加工してガソリンの代わりに使用するよりも、固体のまま直接燃焼させたほうがよっぽど効率がいい。あくまで地産地消を原則に、国内の森林整備を進め、森林バイオマスの自給率を高めることに予算を投じていくべきです」

「電力業界は、RPS法(新エネルギー利用特別措置法)により、石炭火力発電所でバイオマスの混焼を進めていますが、国内の木材だけではとても足りず、海外から輸入しています。地産地消が原則のバイオマスを、高いコストをかけて輸入するなど愚の骨頂です。電力業界の中にも、ばかげた政策だと感じている方がいるのではないでしょうか」

「長くなるので、詳しくは拙著『幻想のバイオマスエネルギー』をご覧になっていただきたいのですが、根本的には、CO2排出削減に振り回されるのではなく、どうすれば日本の国益にとって実質的にプラスになるのかを考え、取り組みを進めていくべきではないかと思います」

--本日はありがとうございました。 (おわり)


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