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大気からCO2を除去、アメリカで研究

National Geographic News
August 15, 2011

 大気中の二酸化炭素(CO2)を、化学物質を利用して直接取り除く「CO2直接回収技術(DAC)」の研究が進められている。木などの緑色植物もCO2を吸収するが、より効率的な環境技術が実現するかもしれない。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110815002&expand
大気からCO2を除去、アメリカで研究


 DACの開発に取り組む研究者たちは未だ少数だが、その効果に自信を持っている。温室効果ガス増加への対抗策は待ったなしで、仮に明日から世界中で化石燃料の使用をストップしても、対策を取らなければ地球環境は悪化の一途をたどると主張している。

 しかし2011年6月、アメリカ物理学会(APS)が公開した2年間の研究に基づく報告書は、コスト効率の面でDACの可能性に疑念を投げかけた。APSは公開データを分析し、少なくとも短期的な効果は難しいという結論を出したのである。

 一方、研究者たちは勝算有りと見通しを語る。未公開のデータも含めて、他の技術との併用や、使い方によってはコストの相殺も可能だという。例えば回収したCO2を、トラックや航空機、乗用車の動力源として広く使われている液体炭化水素燃料用にリサイクルすると特に効果が高い。効果の実証と商用化を目指して進むDACの研究を紹介しよう。

◆CO2を吸収する“人工樹木”

 DAC研究の第一人者、コロンビア大学のクラウス・ラックナー氏は、同大学地球研究所のブログに「Yes, We Can Afford to Remove Carbon from Air(大気中からCO2を取り除くことは十分に可能)」と題した記事を投稿。「コスト面に関して否定的な分析結果を出したAPSも、DACが大気中の CO2を減らす数少ない方法の一つであることは認めている」と指摘した。ラックナー氏は、同研究所の持続可能エネルギー・レンフェスト・センター(Lenfest Center for Sustainable Energy)の責任者を務めている。

 同氏のチームは、大気中のCO2を取り除く特殊な吸着剤を利用した人工樹木(実際には塔)を開発。自然の植物よりも大幅に効率が優れており、CO2の吸収量は同サイズの樹木の1000倍に達するという。

「吸収プロセスを進めるためにはエネルギーが必要だ。しかし、現行のアメリカの発電システム(50%が石炭、20%が天然ガスに依存)を利用した場合でも、吸収が排出を上回る。排出量の5倍は期待できるだろう。再生可能エネルギーを使用すれば、効果はさらに高まる」。

◆年間700トンのCO2を吸収

 コロンビア大学ではラックナー氏のチーム以外にも、ピーター・アイゼンベルガー氏とグラシエラ・シシルニスキー(Graciela Chichilnisky)氏が、“こし器”のような吸着剤を利用してCO2を取り除く技術に取り組んでいる。

 両氏が共同で設立した「Global Thermostat(GT)」社では、想定を上回る低コストとエネルギーでCO2を吸収する独自の吸着剤を使用している。産業用ガスの大手企業や市場分析の専門家も有効性を支持しており、信頼度の高い報告書がまとめられている。

 昨秋、GT社の技術を実証するプラントが、カリフォルニア州メンロパークにある非営利独立研究機関「スタンフォード研究所(SRI International)」で稼働を開始した。現在、年間700トンのCO2を吸収しており、約29万リットル分のガソリン消費を相殺する量になる。 GT社はこのほかにも、藻を原料とするバイオ燃料開発に取り組むベンチャー企業「Algae Systems」と提携し、植物を燃料に転換するバイオリファイナリー技術の開発にも着手している。GT社が処理したCO2を藻が吸収して光合成を行い、再利用可能なジェット燃料やディーゼル燃料、バイオ炭(バイオマスに由来する炭)を精製する仕組みである。両社は日本やインドにも合同プラントを開設する予定。GT社には、CO2を水から分離させた水素と反応させ、炭化水素燃料を精製するプラントの構想もある。実現すれば、コスト、再生可能性の両面で優れているという。

◆“排出ゼロ”だけでは不十分

 APSは次のような見解を示している。「大気中のCO2を取り除く技術を本当に実現できるかどうかはわからない。現在のところDACもその他の代替技術も、コスト面の見通しが立っていない。技術発展、環境への負荷削減、世間一般の賛同が今後のカギになるだろう」。

 一方、DAC開発に取り組む研究者たちは、気候変動問題に対処する切り札と考えている。アイゼンベルガー氏はコロンビア大学地球研究所とプリンストン大学材料研究所を設立し、数学と経済の専門家シシルニスキー氏は京都議定書の炭素市場の発案者でもある。GT社を設立した両氏は、世界的な気候変動の問題に長らく力を注いできた。

「我々は最初から、自分たちの技術でエネルギー・システムに変革をもたらそうと考えてきた」とシシルニスキー氏は語る。

 また、両氏の考えでは、“CO2を排出しない”技術は大事だが、それだけでは不十分だという。「再生可能エネルギーのプラントを増産して排出量のレベルを下げるだけではとても間に合わない。CO2濃度は既にかなり高い水準で、今後も増加し続けると予想され、取り除く手立てを講じる段階に来ている」とシシルニスキー氏は述べている。

Diagram by Joe Zeff, National Geographic
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