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「天候問題は待ってくれるが、健康問題は待ってくれない」ビョルン・ロンボルグ


Climate change can wait. World health can't

With $50bn, we could make the planet a better place but money spent on global warming would be wasted

Bjorn Lomborg
# The Observer, Sunday 2 July 2006
http://observer.guardian.co.uk/comment/story/0,,1810738,00.html

500億ドルあれば、私たちは地球をもっと良い場所に出来るでしょう。でも地球温暖化対策に使うのはおそらく無駄です。

ある街に1000万ポンドの余分なお金があって、なにか良い目的に使おうと考えていたとします。十のグループが援助を求めてきました。最初のグループはスラム地区の学校のために新しいコンピュータを買うべきだと言っています。次のグループは公園の美化を求めています。それぞれが、達成することでどのような価値が生まれるか、説得力のある案を提案してきました。街の議員たちはどうすべきでしょうか?お金を十に分割して配分するのが一番簡単な答えに思われるかもしれません。しかし、この答えは間違っています。

どのような時でも、幾つかの提案は他の提案より良いものであるはずです。どの提案が最も社会的な価値を生み出すか私達が知っていたならば、それらにお金を回すのが妥当でしょう。

より大きな視点では、各国の政府と国連が莫大な、とは言え限りのある予算を用いて、地球上の問題を減らそうと考えています。一方で彼らはメディアのうつろ気な注意に引き付けられてしまって、間違ったお金の配分を行う傾向にあります。HIV・エイズ、マラリアや栄養不良との戦いに費やされるのは少しだけ。不正や闘争の政治的解決により多くのものが費やされています。残りのお金は地球温暖化を抑え、鳥インフルエンザ対策に取っておかれます。


政治家がみんなに何かを与えられるなら誰も文句は言いません。しかし余分なお金のあった街の例のように、政府や国連にも、どのようにお金を援助するか明確に定めた合理的な枠組みがあった方が良いでしょう。政策立案者にとって、援助候補の並んだリストはレストランの巨大なメニューに似ています。しかし、それは価格や量が書かれていないメニューなのです。

現在、政府が地球温暖化との戦いに加るべきだという、かなりの勢いがあります。元アメリカ副大統領のアル・ゴアは映画製作者に転身し「不都合な真実」というタイトルの映画を作っています。

しかし本当に「不都合な真実」なのは、2004年にデンマークで経済学者たちが示したデモンストレーションです。このデモでは、京都議定書に従った地球温暖化との戦いは、費やすお金ほどの社会的価値を生み出さないことが示されました。四人のノーベル賞受賞者を含むこの経済学者たちはコペンハーゲン・コンセンサスと呼ばれるプロジェクトに参加しています。人類が表面している複数の問題について、解決策の社会的価値を比較するという試みです。そして彼らが答えようとした疑問は「500億円の使い道で、一番世の中を良くする見込みがあるのはなんだろうか?」です。

HIV・エイズ、飢餓、世界紛争、地球温暖化、政治的不正、その他の問題への挑戦について、様々な方法でコストと価値が検討されました。そして特別に任命した研究により、どうすれば政策立案者が一番世の中を良くする見込みがあるかを示した、優先順位付けされた援助先のリスト、「なすべきことリスト」が作成されました。

この結果、経済学者たちは、270億ドルをHIV・エイズ予防に費やすことが、人類にとって最も見込みのある援助であると分かりました。6年で2800万人以上の命を救い、生産力向上を含む巨大な効果を生むでしょう。

微量栄養素を多く含んだ栄養補助食品を提供することが二番目の優先順位になりました。地球上の半分以上の人間が鉄、ヨウ素、亜鉛、ビタミンAの欠乏に苦しんでいます。栄養剤のような安価な解決策は費用対効果がとても高いのです。

三番目は貿易の自由化でした。政治的には難しい決定を必要とするでしょうが、これは著しく小さなコストで世界中、特に発展途上国に、価値を生み出すでしょう。自由貿易により毎年2兆4000億ドルという驚異的なGDPの増加が、先進国においても発展途上国においても等しく生じるはずです。

経済学者たちは次に、化学的に処理された蚊帳でマラリアを防ぐことが巨大な価値を生み出すと見込みました。それからリストに並ぶのは、世界で最も貧困にあえぐ10億人のための農業の研究、公衆衛生の向上、水質管理です。これらへの援助から得られる価値はコストをはるかに上回ります。

HIV・エイズ予防については、費やした1ドルあたり、40ドルの価値が生まれるでしょう。言い換えれば、コンドーム1ドル分は、エイズが蔓延したコミュニティにおいては40ドルの価値になるはずです。

みなさんは、それではなぜ、そうしたコミュニティの人間が自分たちでお金を費やさないのか、と尋ねるかもしれません。答えは通常、そうしたお金がより裕福な国や国連など、他の場所にあるからです。リスクに関する情報を得るのはなかなか難しいのです。また、HIV・エイズの影響は遠くまで広がります。今日の一つの感染が、将来より多くの感染を引き起こし、たくさんの家族やコミュニティを壊滅させるでしょう。しかしながら、先に示した個々の援助案については、こうした将来のコストをほとんど考慮に入れていません。

経済学者たちは京都議定書の実行や、二酸化炭素排出への課税を含む、地球温暖化対策に関する提案についても調査しました。結果は全て悪いものでした。世界の限りある資源を地球温暖化との戦いに費して成功するためには、得られる価値よりも多くのコストを支払うことになるでしょう。そのお金は他のところで使うべきです。

以上がコペンハーゲン・コンセンサスで経済学者たちが「世界が今なすべきことリスト」から抜本的な地球温暖化を外した理由です。

この経済学者たちによって生まれた優先順位付けを、学術的な運動以上のものにしなければなりません。地球上の問題を減らすための決定が高い透明性と合法性を持つためには、政治的運動にならなければなりません。

先月、ジョージタウン大学に、著名な国連大使のグループが彼ら自身の「なすべきことリスト」を考えるために集められました。アメリカ、中国、インド、パキスタンを含む、人類のおよそ半分を代表する国の人達がいました。

彼らはどういう選択だったのでしょう?驚くべきことに、それはコペンハーゲン・コンセンサスで経済学者たちが選んだものと似ていました。彼らは健康、水、教育、飢餓に関する問題への援助に世界が最も優先付けを行うべきだと同意しました。また、おそらくはさらに勇敢なことですが、一番に持ってくるべきではないものについても述べました。そこには金融不安への解決と地球温暖化対策が挙がっていました。

世界の意思決定者のために、地球上の問題に優先付けを行うという概念を議題にしたことは、このプロジェクトにとって重要なステップでした。彼らは運動をさらに先へと進めようとしており、秋にニューヨークで行われる同様の運動では、40人か50人の国連大使が参加するよう望んでいます。しかし結局のところ、優先順位はノーベル賞受賞の経済学者が決めるものでも、国連大使が決めるものでおまりません。社会的な討論と、民主的な決定によるものなのです。

様々な援助を求める声が絶えず増え続け、政治家と有権者がそうした競争に直面する世界において、コペンハーゲン・コンセンサスのプロセスは、ただ声の大きい提案者の援助ではなく、最も価値を生み出す援助へと意思決定者の目が移るよう、助けることが出来ます。

このようになにかを決定するための信念を持った枠組みを提供することは、結局のところ世界の限られた資源をほとんど人類のために費やすことになるかもしれません。この選択肢は無視し難いでしょう。


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