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ヒマラヤの氷河大嘘事件 IPCCの報告書に根拠のない記述 

1)事件の概要
「ヒマラヤの氷河が 2035年までに、あるいはそれよりも早くそれらが消滅する可能性は非常に高い。」というIPCCの報告書の記述は、根拠のない憶測記事の引用だった。

2)事件の意味
Ⅰ)WWFの報告書を何の検証もせずに引用していた。学会の査読を受けた論文、またはそれ相当の論文のみによってIPCCの報告書は書かれているというのは嘘だった。(ヒマラヤ事件の後、根拠のない憶測を引用している箇所が他にも多数発見された。)
Ⅱ)報告書は、草稿が書かれた後に厳しい大規模な査読によって検証されるというのは嘘だった。
Ⅲ)この記述への批判は、何年も前からあって、IPCCもその誤りに気がついていたふしがある。にもかかわらず、何年も隠蔽していたらしい。新聞にすっぱ抜かれるとすぐに認めた。
Ⅳ)このような不祥事に対して、IPCCは、声明文で間違いを認めただけで大筋は間違っていないという開き直り。報告書の総点検、事件の詳細な調査、責任者の処分、再発防止策の作成等は一切していません。つまり、ごまかしてやり過ごそうとしています。

3)事件発覚前の事
2007年のIPCC報告書にある、「「ヒマラヤの氷河が 2035年までに、あるいはそれよりも早くそれらが消滅する可能性は非常に高い。」という記述を、多くの人が疑問視していた。
名古屋大学の藤田耕史准教授(氷河の専門家)によれば、「報告書を取りまとめた第2作業部会には氷河研究の専門家がおらず、学術的な価値がないWWFの資料を引用していいのかという議論が、氷河研究者の中にはあった」
インドのラメシュ環境相は「ヒマラヤの氷河消失には科学的根拠がひとつもない。過去にも異議を唱えたが、疑似科学(voodoo science)呼ばわりされた」という。

4)事件発覚の経緯
2010年1月17日付英紙サンデー・タイムズが、「厚さが平均300メートルある氷河が35年までに解けるのは非現実的」とする氷河学者のコメントを紹介すると、IPCCは、あっさりと誤りを認めた。

5)事件の経緯
A)Down to Earthというインドのオンライン雑誌(学術誌ではないです)の1999 年の記事に、IPCC報告書(2007年)と同じ記述があります。
 「ヒマラヤにある氷河は、世界のほかのどこよりも急速に後退しており、もし地球が現在の速度で温暖化し続け、現在の速度での後退が続けば、 2035年までに、あるいはそれよりも早くそれらが消滅する可能性は非常に高い。」
この記事は、ある科学者の憶測で、何の科学的な根拠がないということがわかっています。

B)ユネスコ国際水文計画の1996年の報告書に、IPCC報告書(2007年)と似た記述があります。
「 その総面積は2350年までに現在の500,000から100,000平方キロメートルに縮小するであろう可能性が高い」
ここに、2350年とあります。

このA)とB)を合成して、、世界自然保護基金(WWF)の資料(2005年)が書かれます。

ここで、ユネスコ国際水文計画の1996年の報告書のなかの2350年が書き換えられ、2035年になります。書き換えたのは、WWFです。書き間違えではないと推定されます。なぜなら、二つの報告書の年代を統一したと推定できるからです。(また、IPCCが書き間違えたわけではありません。一部で単なるプリントミスという報道がされていますがまったくの誤報です。)

この世界自然保護基金(WWF)の資料(2005年)をそのまま引用して、IPCCの草稿が書かれます。草稿に専門家のコメントはつきませんでした。なぜなら、報告書を取りまとめた第2作業部会には氷河研究の専門家がいなかったからと言われています。

 日本政府から、コメントがつきました。「この章は全体的に引用文献が示されていない箇所が多い」「この(ヒマラヤ氷河の)箇所は非常に重要な記述であり、どれくらい確からしいかを示すこと」

このコメントに対して、(WWF, 2005)という引用文献が示されましたが、内容はそのままで報告書に記述されます。

IPCC報告書2007年
 
ここから引用:
「ヒマラヤにある氷河は、世界のほかのどこよりも急速に後退しており、もし地球が現在の速度で温暖化し続け、現在の速度での後退が続けば、 2035年までに、あるいはそれよりも早くそれらが消滅する可能性は非常に高い。
 その総面積は2035年までに現在の500,000から100,000平方キロメートルに縮小するであろう可能性が高い(WWF, 2005)。」


この報告書の記述は、地球温暖化の脅威として、マスコミが大きく取り上げ、地球温暖化脅威論の重要な柱になりました。
「氷河が消失すると、インドやパキスタンが深刻な水害や渇水に見舞われるなどの懸念があり、温暖化問題で緊急対策を要する象徴的な課題のひとつとされていた。」
http://eco.nikkei.co.jp/column/kanwaqdai/article.aspx?id=MMECzh000021012010

以下、関連報道

ここから引用:
[急]ヒマラヤの氷河は本当に消失するのか?(10/01/22)
http://eco.nikkei.co.jp/column/kanwaqdai/article.aspx?id=MMECzh000021012010
池辺豊(いけべ・ゆたか)

 地球温暖化の影響でヒマラヤの氷河が2035年にも消失する――国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第4次報告書に盛り込んだ衝撃的な記述が誤りだったことが判明した。同氷河が消失すると、インドやパキスタンが深刻な水害や渇水に見舞われるなどの懸念があり、温暖化問題で緊急対策を要する象徴的な課題のひとつとされていた。いったい何があったのだろう。

 07年に発表された同報告書の信ぴょう性を疑う記事を英サンデー・タイムズが17日に掲載し、それを重く見たIPCCのパチャウリ議長が調査を指示していた。IPCCは20日、「科学的根拠を確認する手続きに不備があった」との声明を出した。

 報告書は世界自然保護基金(WWF)インドの資料を引用し、資料は英科学誌ニューサイエンティストの 1999年の記事をもとにしたという。科学誌の記事はインドの科学者による「2035年にも氷河消失」という予測を取り上げたが、予測には科学的根拠がなく、論文などで公表されなかったことが明らかになっている。

 ヒマラヤの氷河調査で10回以上も現地を訪れている名古屋大学の藤田耕史准教授は「報告書を取りまとめた第2作業部会には氷河研究の専門家がおらず、学術的な価値がないWWFの資料を引用していいのかという議論が、氷河研究者の中にはあった」と語る。

 同部会で査読者を務めた横浜国立大学の伊藤公紀教授は「WWFの資料を引用したIPCC報告書の著者のレベルが低く、それを見抜けなかった査読者たちの責任でもある」と、IPCCの査読システムに問題があったことを認めている。

 ロイター通信によると、インドのラメシュ環境相は「ヒマラヤの氷河消失には科学的根拠がひとつもない。過去にも異議を唱えたが、疑似科学(voodoo science)呼ばわりされた」とIPCCの対応を非難している。

 英米印メディアはパチャウリ議長の環境ビジネスによる蓄財疑惑を報じており、去年11月に発覚したクライメートゲート事件で損なわれたIPCCの権威がさらに低下したとみることもできる。

 ただし、ヒマラヤの事情は複雑だ。名大の藤田准教授は「この3年間の現地調査の結果、小規模の氷河は確かに後退しており、35年までに消失するものも出てくるだろう。温暖化に加え降水の減少が要因と考えられる」と言う。一方、大氷河は簡単に踏査できない難所にあり、実態はほとんど未解明だ。人工衛星で面積を測る試みもあるが、「氷河の厚みを現地調査しないと、減少の度合いは分からない」(藤田准教授)。

 IPCCは第4次報告書で「氷河の後退は21世紀中に世界中で加速する」とうたっている。3年後にまとまると見られる第5次報告書に向けた作業は始まったばかりだ。藤田准教授は「今度は専門家が加わり、きちんと評価してもらいたい」と注文をつけている。



ここから引用:
(前略))初期の原稿(ヒマラヤの氷河が2035年に消滅するという原稿。引用者注)には、問題の箇所には引用文献が示されていませんでした。これに対して、日本政府から「この章は全体的に引用文献が示されていない箇所が多い」「この(ヒマラヤ氷河の)箇所は非常に重要な記述であり、どれくらい確からしいかを示すこと」といったコメントが出ています。

 引用文献「(WWF, 2005)」の挿入は、これらのコメントを受けたものかもしれませんが、コメントに対する十分な対応とは言い難いように思います。
http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000025012010
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