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「気候は宇宙規模で広くとらえたいですね」と宮原さん

長辻象平 気温に宇宙線効果
2011.12.18 03:15
 南アフリカで開かれた地球温暖化防止の国際会議・COP17が今月11日に終わった。

 COP17ではすべての主要排出国が参加する新体制への合意が目指された。だが、その実現は先送りされた。中国、米国、インドの3大排出国が加わる次期体制の発効時期は2020年になってしまった。

 削減が大きく遅れる。目標の2020年は、どんな気候になっているだろう。炎暑が地球を包んでいるかもしれない。あるいは逆に寒い冬に震えているかもしれない。


 寒い冬-。二酸化炭素が増えるのに気温が下がるのか。首をかしげる人が多いはずだ。だが、可能性は大いにある。理由は近年、太陽活動が低下しているからである。活動の指標となる黒点の数が少ないのだ。太陽の黒点は約400年前から観測されてきているが、少ない時期は地球の寒冷期に当たっている。

 西暦1600年ごろ、黒点は少なく地球は寒かった。日本は江戸時代前期。近世の小氷期だ。尾張藩士の日記に冬、室内での筆記中に硯(すずり)の水が凍ったという記録がある。名古屋でこれだから相当寒い。ロンドンではテムズ川が結氷している。

 では、黒点観測以前の昔の気温はどうだろう。研究者が注目したのは古木の年輪だ。暖かい年は幅広く、寒い年は狭くなる。だが、この方法では大きな誤差が避けられない。にもかかわらず国連の科学者グループ(IPCC)が、よりどころにした過去の気温推定は、この年輪幅によるものだったのだ。

 現在では、光合成によって大気中から樹木に取り込まれた炭素の同位体で、昔の太陽の活動度を調べる手法が開発されている。

 日本の若手研究者では、東大宇宙線研究所特任助教の宮原ひろ子さんが、高樹齢の屋久杉などの標本から、1年ごとの年輪中の炭素14の量を測定中だ。「太陽活動が低下すると太陽磁場が弱まり、普段はこの磁場で守られている地球に太陽系外から飛来する宇宙線が増えます」

 炭素14は、宇宙線が大気にぶつかってできるので、太陽活動が弱い年ほど年輪中の炭素14は多くなる。

 こうした測定で、過去にさかのぼると西暦1000年前後には年輪中の炭素14の少ない時代があり、この間、太陽活動が活発化していたことが突き止められている。

 この300年間は「中世温暖期」と呼ばれ、気温は現代と同程度と推定されている。平安時代の「枕草子」に、亜熱帯性のシュロが京都に生えていると書かれていることも、中世の暖かさを裏付ける。

 温暖化が進んだ20世紀には二酸化炭素濃度が上がったが、太陽活動も極めて活発だったことを忘れてはならないだろう。

 ここで少しややこしいのは、太陽からの熱エネルギーの変化は、地球の気温を変えるほど大きくないことだ。宇宙線が気候を左右する仕組みは解明途上だが、雲が増えることによる低温化が推定されている。

 ヒッグス粒子を探す欧州合同原子核研究機関(CERN)での実験でも、宇宙線で雲核が生じやすくなるという結果が報告されたところだ。

 20世紀の高温化は宇宙線効果によるものか、二酸化炭素の温室効果によるものか。あるいはその双方か。答えが出るのは、太陽の活動周期から2020年ごろらしい。「気候は宇宙規模で広くとらえたいですね」と宮原さんは話す。(論説委員)

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