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国民に重税を強いる悪夢 「温暖化対策法案」を急ぐ政府への不信

国民に重税を強いる悪夢
「温暖化対策法案」を急ぐ政府への不信
http://diamond.jp/articles/-/1187(週刊ダイヤモンド)
町田徹 [ジャーナリスト]



ここから引用:
 賛否の立場を超えて、政府の「地球温暖化対策基本法案」の策定姿勢に対する不安と不満が広がり始めた。

 問題は、鳩山由紀夫首相が施政方針演説で策定方針を示したほどの重要法案であるにもかかわらず、そのプロセスや内容がきちんと公表されていない点にある。

 加えて内容も、閣僚や関係議員で構成する「環境省政策会議」に提出された政府の資料を見る限り、わが国が主体的に目指す目標のない“欠陥法案”らしい。

 ところが、具体策では、強制的に国民全体に重い負担を課す恐れのある施策を始め、一部の人だけが得をする施策、それだけではCO2の排出には役立たない施策などの愚策をズラリと並べて、一部を時限を切って強引に前倒しでスタートさせようと目論んでいるという。

 そもそも世界では今、過去の地球温暖化研究が不都合なデータを無視するなど信頼性に欠けるものだった可能性があるという報道が相次ぎ、あえて今、地球温暖化問題に取り組むべきかどうか疑問視する向きもある。

 ここは、国民として、納税者として、どうみても戦略性が欠如している政府に対して、冷静に立ち止まってゼロから再考するように迫るべきではないだろうか。
25%削減に賛成したのは
国民全体のわずか9%

 本論に入る前にまず、政府が昨年12月に国民全体を対象に実施した「地球温暖化対策の基本法の制定に向けた意見募集」の概要を説明したい。ニュースソースは、政府が前述の環境政策会議を1月14日に開き、連立与党議員らに対して示した資料で、パーセンテージはそれをもとに計算した。

 それによると、今回の法案で、麻生太郎前政権が掲げた「温室効果ガスを2020年までに15%削減する」という中期目標を「25%」に引き上げて明記することについて、回答が1376件あり、このうちの86%の人が何らかの形で「反対」か「懸念」という回答をした。

 その内訳を記すと、「すべての主要国が意欲的に取り組むという前提の確保が明確でない」という理由をあげている人が37%、「経済・雇用への影響が不明確」なことを懸念している人が36%、「日本だけが突出すると産業の国際競争力が低下し、空洞化を招く」と反対した人が13%だった。



ここから引用:
これに対して、なんらかの形で「25%以上の削減目標」を掲げることに賛成した人はわずか9%に過ぎない。具体的には、「30%以上削減すべき」という人が6%、「25%を堅持すべき」という人が3%だった。

 一方、鳩山首相は1月29日に今通常国会の施政方針演説を行い、今回の基本法の策定方針を述べている。

 念のため、演説を振り返ると、まず、「ピンチをチャンスと捉える」「変革こそが、必ずや日本の経済の体質を変え、新しい需要を生み出すチャンスとなる」などと前置きして、そのうえで「地球温暖化対策基本法を策定し、環境・エネルギー関連規制の改革と新制度の導入を加速する」「低炭素型社会の実現に向けたあらゆる政策を総動員します」と表明したのだ。

 だが、政府・与党は、この基本法の設置が民意に反していることを「意見募集」で知っていたはずだ。つまり、政府・連立与党は民意を無視したのである。

 さて、そこで、話を、本論の基本法の内容に進めよう。
削減賛成派でさえ
政府方針に批判の声

 政府も後ろめたかったのではないだろうか。一計を案じ、できるだけ民意とかけ離れない法にしようとしたものと思われるフシがあるからだ。

 どういうことかというと、やはり1月14日の政策会議に「次期通常国会に提出を予定している法案について」という10ページの資料を出し、そのページを割いて、政府は「地球温暖化対策基本法案(仮称)の概要」を説明しているのだが、中期目標としては、25%削減を明記する一方で、これと併せて「公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提」とすることを法案に書き込むと記している。他の主要国の温暖化ガス削減策が不十分な場合は、日本も突出しないので安心してほしいというわけだ。

 しかし、ちょっと考えてみてほしい。あらゆる政策を動員するはずの国家プロジェクトの基本法に掲げる目標が、他国の動向に左右されるものであり、日本が主体的に決めて取り組むものでないというのである。これでは、策士が策に溺れたようなものだろう。


ここから引用:
 さすがに、様々な立場の関係者から批判の声があがっている。皮肉なことに、その中には、中期目標の引き上げに反対・懸念する人たちだけでなく、むしろ、目標の引き上げが必要だと主張してきた「賛成派」も含まれているのだ。

 例えば、環境NGOであり、環境NPOでもある「気候ネットワーク」の例がある。代表の浅岡美恵さんが、「温暖化防止の公約を守ってください!」と題した鳩山首相あての私信をホームページで公開した。その私信には、「いつ、日本の削減目標と位置づけられるのかもわからない25%削減目標であれば、国民にも経済にも後ろ向きのメッセージとなり、世界は日本に不信を抱くでしょう」と強い調子で不満が表明されている。
効果のない排出権取引に
固執する一部の閣僚

 元を辿れば、民意を無視した基本法を制定し、中期目標を掲げようとしたことが問題の発端である。本来なら、策を弄さざるを得ないような基本法など作るべきでないのだ。

 むしろ、エネルギーを、地球温暖化研究の不正解明に注ぎ、その有効性と温暖化ガス削減努力の証明に向けるべきなのだ。そのうえで、主要国との外交交渉にも重心をかけ、反対の人々からも合意を取り付けられる、国際合意の形成を優先すべきだったのだ。

 首を傾げざるを得ないことは、他にもある。大前提の中期目標がいい加減なのに、個別の施策となると、不思議なほど多彩なのだ。それぞれの問題点には目をつぶり、とりあえず、かき集めたとしか思えないほど多岐に及んでいるである。

 前述の「地球温暖化対策基本法案(仮称)の概要」によると、その施策の主な柱は、(1)国内排出量取引制度の創設、(2)地球温暖化対策のための税の実施に向けた検討、(3)エネルギーの固定価格買い取り制度の拡充――などとなっている。

 このうち、(1)は、これだけ実施しても、温暖化ガスの排出削減には何の役にも立たないことで知られている。というのは、排出権取引が有効に機能するのは、まず、政府や産業、家庭の排出量の上限(キャップ)を決めて、その削減計画を立てて、それぞれの主体の将来予測も含めた過不足を明らかにして、はじめて過不足を補う排出権取引(トレード)制度がワークするからである。

 はっきり言って、取引制度作りで喜ぶのは、一部の金融資本市場関係者だけである。関係者の中には、「一部の閣僚がこの市場を来年中にも創設すると異常な執着をみせており、不自然だ。常識的なインセンティブがあるとは思えないので、理解に苦しむ」との指摘も存在する。


ここから引用:
 また、前述のキャップを決める権限を誰が持ち、どのようにして決めるかで重要になってくるのが、(2)の地球温暖化対策のための税のうち、排出税とか排出権税などと呼ばれるものだ。

 これからは、小さな商売を一つ始めようとか、結婚するので家を建てようと言うようなことでさえ、それに伴い、温暖化ガスを排出できるキャップを入手する必要が出てくるからだ。

 このキャップを割り当てる権限は大変な利権となるため、官庁や地方自治体の許認可制にする形で任せてよいのか、それとも、電力料金に税金を上乗せして、それを支払うことでキャップが得られるようなものも含めて税制で工夫するのかなどが、大きな議論になるとされている。

 一方で、政府は、道路の特定財源の扱いなど、すべてを税制改革任せで、排出権について、どんな税制や許認可制の導入が必要になるかすら国民に示していない。こういう状態を放置したまま、基本法制定を急ぐというのである。

 中期目標の25%削減を達成するために、あまりにも重い税負担を負わされるとなれば、中期目標事態を見直す必要があるかもしれないのに、このような稚拙な議論の進め方をするようでは、無責任のそしりを免れまい。

 さらに、(3)の関連で最も懸念されるのが、家屋の屋根にソーラーパネルを設置して発電した電気を、電力会社にすべて買い取らせる全量買い取り制度の導入問題だ。実は、これだけでも、世論を真っ二つに分断することになりかねない大変な争点のはずである。

 というのは、こうした自家発電は、戸建住宅に住み、最低でも300万円前後もする設備を購入できる、富裕層にのみ可能なもの。これに対して、全量買い取りの資金は、電気料金に転嫁して消費者が全員で負担するか、それとも税金で補助して納税者が支払うか二つに一つである。

 いずれにせよ、太陽光発電を導入できない世帯にとっては、負担だけを強いられる制度となるわけだ。こうした逆累進性の強い施策が社会的な要請かどうか、国民的な議論も必要なはずである。こそっと基本法に忍び込ませて、有無を言わせず、国民を従わせようというのは、まるで犯罪だ。

 ところが、政府は当初、本稿掲載日にあたる3月5日に同法案を閣議決定し、多数を握る国会で可決する準備を進めていた。さすがにマズイと思ったのか、直前になって、閣議決定を3月8日の週以降に延ばす一方で、急きょ、産業界や労働界への説明会も開催する方針に変更したという。

 政府は、国民から見れば、環境省政策会議や産業・労働界との会合は、密室政治の延長にしか映らないことをよく肝に銘じるべきである。

 昨年の総選挙で、民主党を勝たせたがゆえに、このような内容の地球温暖化対策基本法を制定され、今後何十年にわたって重い負担を強いられるなど、国民にとって悪夢でしかないはずだ。地球温暖化防止問題は、もっときちんと世に問い、国民的な合意を形成すべきテーマのはずである。
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